介護のシフトが不公平になる原因と解消法【完全ガイド】
作成日: 2026年05月25日

「あの人ばかり優遇されている気がする」「自分だけ夜勤と連勤が多い」。
介護現場で、シフトへのこうした不満を耳にしたことはないでしょうか。
シフトの不公平感は、放っておくと職員の不満を募らせ、離職の引き金にもなりかねません。しかも厄介なのは、作成者は公平に組んだつもりでも、職員には不公平に映ることがある点です。
この記事で最初にお伝えしたいのは、シフトの不公平は「感情」ではなく「設計」の問題だということです。なぜ不公平が生まれるのか原因を整理すれば、感情論ではなく仕組みで解決できます。
ここでは、介護のシフトが不公平になりやすい原因を7つに整理し、それぞれの解消法、そして自動シフト作成ツールによる打ち手までを、管理者目線でまとめます。
この記事の要点
不公平の原因は「夜勤の偏り」「希望の通り方」「スキルの偏在」などに分解できます。解消の鍵は、(1)公平の基準を決める (2)ルールを明文化する (3)偏りを見える化する、の3点です。
介護のシフトが不公平になりやすい7つの原因
「不公平」とひとことで言っても、中身はさまざまです。まず、何が不公平を生んでいるのかを切り分けましょう。原因が分かれば、打ち手も具体的になります。
1. 夜勤の偏り
最も根深いのが、夜勤の偏りです。夜勤に入れる職員が限られるため、特定の人に夜勤が集中しやすくなります。負担が大きいシフトだけに、「また自分ばかり」という不満に直結します。
夜勤の偏りは、不公平のなかでも特に大きな火種です。詳しい原因と解消法は、「夜勤が特定の人に偏るのはなぜ?介護現場の原因と、公平に分担する方法」で深掘りしています。
2. 希望休・希望シフトの通り方の差
希望休が「通る人」と「通らない人」が出ると、それ自体が不公平に映ります。早い者勝ちで申請順に通していると、申請が遅れがちな職員ほど希望が叶わず、不満をためます。
3. 特定の曜日・時間帯への集中
土日や連休、行事のある日は、休み希望が自然と重なります。逆に言えば、その日に出勤する数人へ負担が集中します。「土日はいつも同じ顔ぶれ」という偏りです。
4. スキル・資格の偏在
夜勤、入浴介助、医療的ケアなど、一定の資格や経験が要る業務は、できる人が限られます。その結果、「特定の業務はいつも同じ人」という負担業務の偏りが生まれます。本人にしてみれば、頼られるほど大変になるという構図です。
5. 常勤・非常勤が混在することの難しさ
介護現場は、常勤・パート・短時間など、勤務日数の異なる職員が混在します。これを「全員同じ回数」で割ると、勤務日数の少ない人に負担が偏ります。逆に放置すれば常勤に偏ります。公平の基準そのものが難しいのです。
6. 連勤・休息のばらつき
「自分は連勤が多い」「夜勤明けの翌日がすぐ早番だった」といった、勤務間隔のばらつきも不公平感の原因です。総労働時間が同じでも、組み方しだいで体感の負担は大きく変わります。
7. 作成が属人化していて基準が見えない
そして全体を貫く原因が、シフト作成の属人化です。「ベテランの担当者が経験と勘で組む」状態だと、判断基準が本人の頭の中にしかありません。基準が見えなければ、職員は「なぜこの配分なのか」を理解できず、不公平だと感じやすくなります。担当者が代われば基準もぶれます。
ポイント
7つの原因は、大きく「①負担業務の偏り(夜勤・スキル)」「②希望の通り方の差」「③公平の基準と運用の不在」に集約できます。次章からの打ち手も、この3点に対応します。
不公平を放置する代償――不満から離職へ
不公平を「仕方ない」と放置すると、何が起きるでしょうか。
負担が一部の職員に偏ると、その人の疲労やストレスは蓄積します。「なぜ自分ばかり」という思いは、職場への信頼を少しずつ削っていきます。こうした積み重ねは、介護現場で離職を招く要因の一つとも言われます。
そして、負担を担っていた職員が辞めれば、残った人の負担がさらに増えます。人手不足が偏りを生み、偏りが離職を生み、離職が人手不足を深める――この悪循環は、現場でしばしば見られます。
シフト作成が遅れたり、納得感のないまま運用されたりすることの弊害は、こちらの記事でも整理しています。だからこそ、不公平は「気のせい」で片づけず、早めに仕組みで手を打つ価値があります。
公平なシフトをつくる5つの打ち手
ここからは、不公平を解消するための具体的な打ち手を5つ紹介します。前章の7つの原因に対応する、実践的な手順です。
1. 公平の「基準」を決める
まず、自分の職場にとっての「公平」を定義します。ここが曖昧なまま組むと、何をしても不公平だと言われかねません。
特に負担シフト(夜勤など)の回数は、「全員を同じ回数にする(均等)」のか、「出勤日数に応じて配分する(比例)」のかで、組み上がりがまったく変わります。常勤・パートが混在する介護現場では、勤務量に応じた「比例」のほうが現実に合いやすいでしょう。
この「基準の決め方」は、夜勤を例に「夜勤回数の公平な決め方|『比例』と『均等』の考え方」で詳しく解説しています。
2. ルールを明文化して属人化を解く
公平の基準を決めたら、ルールとして文章にして全員に共有します。
たとえば「希望休は月◯日まで」「連休の希望は早めに申請」「夜勤はできる職員で公平に分担する」といったルールです。明文化すれば、判断が担当者の頭の中から外に出て、職員も「なぜこの配分なのか」を理解できます。属人化が解け、担当者が代わっても基準がぶれません。
シフト作成で何を大切にすべきかは、こちらの記事でも整理しています。
3. 偏りを「見える化」する
不公平感の多くは、「実際にどれだけ偏っているか」が見えないことから生まれます。
「自分ばかり夜勤が多い気がする」という感覚も、数字で見れば「実は平均的だった」あるいは「やはり偏っていた」とはっきりします。誰がどの負担シフトに何回入っているかを一覧で見える化すれば、調整すべき点が分かり、職員への説明も数字でできます。納得感は、この透明性から生まれます。
4. 希望と公平のバランスをとる
職員の希望をすべて叶えれば公平になるかというと、そうではありません。希望が偏れば、結果のシフトも偏ります。
大切なのは、希望を尊重しつつ、全体の公平も保つバランスです。「希望を最大限くむ月」と「公平を優先する月」を一律にするのではなく、その時々の状況で重み付けを変える発想が役立ちます。
5. ツールで自動化する
ここまでの打ち手を、手作業だけで毎月回し続けるのは大変です。条件が増えるほど、人の頭で「公平」を追いきるのは難しくなります。
そこで有効なのが、シフト作成ツールの活用です。シフト表自動作成ツール「シフト屋さん」には、夜勤のような負担の大きいシフトを自動で公平に分担する機能があります。
- 公平にしたいシフト(夜勤など)を選ぶ
- 公平の考え方を選ぶ(出勤日数に応じて=比例/同じ回数=均等)
- 希望と公平のバランスを選ぶ(希望優先/バランス/公平優先)
設定はこれだけで、あとは選んだ考え方に沿って自動で配分します。結果は「高負担シフトの分担」という一覧に、誰が何回入ったか・公平な目安・偏りの有無として表示され、実際に組まれたシフトをもとに公平さを確認できます。
ただし、この機能は「なるべく公平に」を目指すものです。休み希望や必要なスキルの配置と両立しない場合は、多少偏ることもあります。「必ずゼロにできる」ものではない点は、正直にお伝えしておきます。それでも、手作業で公平を追い続ける負担は大きく軽くなります。
機能の詳しい仕組みは、夜勤を例にしたこちらの記事で具体的に紹介しています。
最大の火種は「夜勤の偏り」
5つの打ち手のなかでも、優先して手を打ちたいのが夜勤の偏りです。
夜勤は負担が大きく、入れる職員も限られるため、不公平が最も先鋭化します。逆に言えば、夜勤の偏りを公平な分担と見える化で解消できれば、職場全体の納得感は大きく改善します。
夜勤の偏りがなぜ起き、どう解消するかは「夜勤が特定の人に偏る問題の解消法」、回数の公平な決め方は「夜勤回数の公平な決め方」で詳しく扱っています。あわせてご覧ください。
手作業・Excelで公平を保ち続ける限界
「公平は表計算ソフトでも管理できるのでは」と思うかもしれません。実際、多くの施設が Excel でシフトを組んでいます。
ただ、Excel で「公平」を保ち続けるのは簡単ではありません。負担シフトの回数を数えるのは手作業ですし、希望休や連勤の制限と突き合わせて調整するうちに、最初の公平な配分は崩れていきます。関数を組んでも、毎月のメンテナンスや属人化の問題は残ります。
Excel でのシフト作成が向くケース・向かないケースは、こちらの記事で整理しています。シフト作成ツールの選び方を広く知りたい方は、「シフト作成ツールの選び方」もどうぞ。
よくある質問
Q. 職員から「シフトが不公平だ」と言われました。まず何をすべきですか?
まずは「何が・どれだけ偏っているか」を数字で確認することをおすすめします。感覚での議論は平行線になりがちです。負担シフトの回数を見える化すると、調整すべき点が分かり、職員への説明も具体的にできます。
Q. 全員の希望を叶えれば公平になりますか?
必ずしもそうとは限りません。希望が特定の曜日や負担シフトに偏ると、結果のシフトも偏ります。希望を尊重しつつ、全体の公平も保つバランスが大切です。
Q. 常勤とパートが混在していて、公平の基準が決められません。
負担シフトの回数を「全員同じ(均等)」にするか「出勤日数に応じて(比例)」配分するかを決めると、考えやすくなります。勤務日数に差がある職場では「比例」が現実に合いやすいでしょう。詳しくは「夜勤回数の公平な決め方」で解説しています。
Q. ツールを使えば不公平は完全になくなりますか?
完全になくすことを保証するものではありません。シフト屋さんの分担機能は「なるべく公平に」を目指すもので、休み希望や必要なスキルと両立しない場合は多少偏ることがあります。ただし、手作業よりも偏りを抑えやすく、結果を数字で確認できます。
まとめ
介護のシフトの不公平は、担当者の「えこひいき」ではなく、夜勤の偏り・希望の通り方・スキルの偏在・基準の不在といった「設計」の問題から生まれます。だからこそ、感情論ではなく仕組みで解決できます。
打ち手は、(1)公平の基準を決める (2)ルールを明文化する (3)偏りを見える化する (4)希望と公平のバランスをとる (5)ツールで自動化する、の5つ。なかでも、最大の火種である夜勤の偏りから手を打つのが近道です。
シフト屋さんの「負担シフトの公平な分担」を使えば、考え方を選ぶだけで負担シフトを自動配分し、結果の偏りを数字で確認できます。
シフトの不公平に悩んでいるなら、一度試してみてください。シフト屋さんは、アプリのインストール不要で、無料から使い始められます。
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