夜勤回数の公平な決め方|「比例」と「均等」の考え方
作成日: 2026年05月25日

夜勤のローテーションを組むとき、「何回ずつにすれば公平だろう」と悩んだことはないでしょうか。
実は、「公平」には2つの考え方があります。全員を同じ回数にそろえるのか、それともたくさん出勤する人には多めに、少ない人には少なめに配るのか。どちらを選ぶかで、組み上がるシフトはまったく変わります。
この記事では、夜勤回数の「均等」と「比例」という2つの考え方を整理し、それぞれが向くケースを示します。そのうえで、考え方を選ぶだけで自動的に公平へ近づける方法も紹介します。
結論を先に
常勤とパートが混在する職場では「出勤日数に応じて配分(比例)」が現実に合いやすく、勤務量がほぼ同じなら「同じ回数(均等)」が分かりやすい――というのが大まかな目安です。
そもそも夜勤回数は月何回が普通?
考え方の話に入る前に、目安となる回数を押さえておきます。
夜勤の回数は勤務形態によって幅があります。日本医労連(日本医療労働組合連合会)の「介護施設夜勤実態調査」によると、夜勤のある介護職員の月の夜勤回数は、2交代制でおよそ4回台、3交代制で6回前後と報告されています。あくまで全国の調査結果であり、施設の種類や人員体制によって前後する点には注意してください。
一方で、「夜勤は月◯回まで」という回数そのものの上限を定めた法律はありません。労働基準法が定めるのは労働時間の枠であり、夜勤の回数は、変形労働時間制の運用や労使協定、施設ごとの規程によって決まります。つまり、「何回が適正か」は法律が一律に決めてくれるものではなく、各施設が自分たちで公平の基準を決める必要があるということです。
だからこそ、「どういう考え方で配るか」をはっきりさせることが、公平なローテーションの出発点になります。
公平の2つの考え方――「均等」と「比例」
夜勤回数の「公平」は、突き詰めると次の2つに分かれます。
全員を同じ回数に(均等)
勤務日数に関係なく、全員ができるだけ同じ夜勤回数になるように配る考え方です。
「みんな同じ回数なら文句は出にくい」という、いちばん直感的な公平さです。職員の勤務量に大きな差がない職場では、これがいちばん分かりやすく、納得も得やすいでしょう。
ただし、勤務日数に差がある職場では問題が出ます。週2日しか出ないパート職員と、週5日のフル勤務の職員を「同じ夜勤回数」にすると、パート職員にとっては勤務に占める夜勤の割合が重くなりすぎます。「出勤日数のわりに夜勤が多い」という別の不公平が生まれてしまうのです。
向くケース: 職員の勤務日数がほぼそろっている/全員フルタイムに近い職場。
出勤日数に応じて配分(比例)
たくさん出勤する人には夜勤も多めに、少ない人には少なめに配る考え方です。
「働く量に応じて負担も分け合う」という公平さで、勤務日数に差があるほど効果を発揮します。フル勤務の職員とパート職員が混在する介護現場では、こちらのほうが現実に即していることが多いでしょう。
たとえば、月20日勤務のAさんと月10日勤務のBさんがいて、夜勤が月に6回必要だとします。
| 考え方 | Aさん(月20日勤務) | Bさん(月10日勤務) |
|---|---|---|
| 出勤日数に応じて(比例) | 4回 | 2回 |
| 同じ回数(均等) | 3回 | 3回 |
比例なら勤務日数の比(2:1)に沿って4回・2回、均等なら3回・3回です。Bさんの立場で見ると、「自分は月10日しか出ないのに、フル勤務の人と同じ3回の夜勤」は負担に感じるかもしれません。比例の2回のほうが、勤務量とのバランスは取れています。
向くケース: 常勤・パート・短時間など、勤務日数に差がある職場。介護現場の多くがこれに当てはまります。
ポイント
どちらが「正しい」というものではありません。職場の勤務形態に合うほうを選ぶのがポイントです。迷ったら、混在職場では「比例」から考えると現実的です。
手作業で公平に決める手順と、つまずきやすい点
考え方が決まったら、実際にローテーションへ落とし込みます。手作業で進める場合のおおまかな手順は次のとおりです。
- 対象期間の夜勤の総コマ数を数える(例: 1か月で夜勤が30コマ必要)
- 夜勤に入れる職員を洗い出す(資格・経験・本人の可否で絞られる)
- 選んだ考え方で1人あたりの目安回数を割り出す(均等なら頭割り、比例なら勤務日数の比で按分)
- 希望休や連勤の制限と突き合わせて調整する
理屈はシンプルですが、ここでつまずきます。
まず、3で出した「目安回数」を、4の現実の制約に当てはめると、ほとんどの場合きれいには収まりません。「Aさんは目安4回だが、その週は希望休と重なって入れない」「夜勤明けの翌日を休みにすると、別の人の回数が増える」――こうした調整を全員分くり返すうちに、最初の公平な配分は崩れていきます。
さらに、端数の問題もあります。総コマ数を人数で割り切れないとき、「余った1回を誰に持たせるか」で毎月迷う。作成者が代わると基準もぶれます。
結局、「考え方は決められても、それを現実のシフトに公平に反映し続けるのが難しい」というのが、手作業の限界です。
シフト作成全体のコツは、こちらの記事でも整理しています。
シフト屋さんなら「考え方を選ぶだけ」で自動配分
シフト表自動作成ツール「シフト屋さん」には、夜勤のような負担の大きいシフトを公平に分担する機能があります。これまで手作業でやってきた「考え方を決めて、現実の制約に当てはめる」という作業を、自動で行います。
設定は、大きく3つです。
1. 公平に分担したいシフトを選ぶ
夜勤や遅番など、負担が大きく公平にしたいシフトを対象に指定します。分担の対象になるのは、そのシフトに実際に就ける職員だけです。出勤できて、必要なスキルや資格を持っている人の中で配分するので、夜勤に入れない人を無理に数に含めることはありません。
2. 公平の「考え方」を選ぶ(比例か均等か)
ここが、この記事のテーマそのものです。
- 出勤日数に応じて(比例・推奨): たくさん出勤する人には多めに配分します。常勤・パート混在の職場向き。
- 同じ回数(均等): 出勤日数に関わらず、できるだけ同じ回数に配分します。勤務量がそろった職場向き。
先ほどの手作業の手順でいう「目安回数の割り出し」を、選んだ考え方に沿って自動で計算します。端数も、誰か1人に偏らないように配分されます。
3. 希望と公平の「バランス」を選ぶ
夜勤を多めに希望する人もいれば、避けたい人もいます。希望と公平は、いつも一致するわけではありません。
そこでシフト屋さんでは、公平さの優先度を「希望を優先/バランス(推奨)/公平優先」の3段階から選べます。希望をなるべく尊重しつつ偏りを抑えたいなら「バランス」、偏りを小さくすることを重視するなら「公平優先」と、方針に合わせて調整できます。
設定はこれだけです。あとはシフトを自動作成すれば、選んだ考え方に沿って夜勤が配分されます。手作業でつまずいていた「現実の制約に当てはめる」工程を、ツールが引き受けます。
結果は数字で確認できる
シフトができると、シフト表の下に「高負担シフトの分担」という一覧が表示されます。対象シフトに就ける職員ごとに「実際の回数」「公平な目安の回数」「偏りの有無」が並び、目安より多い人がいれば「偏り」として示されます。
大切なのは、これが実際に組まれたシフトをもとにした数字だという点です。設定上の理想ではなく、現実の配置で公平になっているかを確認できます。
ひとつ、正直に
この機能は「なるべく公平に」を目指すものです。夜勤の偏りを必ずゼロにできるわけではありません。休み希望や必要なスキルの配置、その他の必須ルールと両立しない場合は、それらが優先され、結果として多少偏ることがあります。
それでも、考え方を選ぶだけで自動的に公平へ近づけ、結果を数字で確認できる価値は、毎月手作業で公平を追いかける負担と比べれば大きいはずです。
なお、この設定はプロジェクト(施設全体)に保存しておけば、新しく作るシフト計画にも初期値として引き継がれます。「うちは比例でいく」と一度決めれば、毎回設定し直す必要はありません。
看護・他職種への応用
ここまで介護現場を例にしてきましたが、夜勤回数の公平な配分は、看護をはじめ夜勤のある多くの職種に共通する課題です。
看護の場合、夜勤に入れる人が資格や病棟経験で絞られる点、常勤と短時間勤務が混在する点は介護とよく似ています。「比例か均等か」という考え方も、そのまま当てはまります。看護のシフト作成については、こちらの記事でも触れています。
シフトの不公平を、夜勤に限らず全体として整理したい方は、「介護のシフトが不公平になる原因と解消法【完全ガイド】」もあわせてご覧ください。職場の勤務形態に合わせて考え方を選べる、というのがこの機能の利点です。
よくある質問
Q. 「比例」と「均等」、結局どちらを選べばいいですか?
勤務日数に差がある職場(常勤とパートの混在など)なら「比例」、勤務量がほぼそろっているなら「均等」が目安です。迷ったら、まず推奨の「比例」+優先度「バランス」から始め、結果の偏りを見て調整するのがおすすめです。
Q. 夜勤回数に法律上の上限はありますか?
夜勤の回数そのものを定めた法律の上限はありません。労働基準法は労働時間の枠を定めており、夜勤回数は変形労働時間制の運用や労使協定、施設の規程によって決まります。詳しくは自施設の就業規則や労使協定をご確認ください。
Q. パート職員の夜勤回数は、自動で少なめに調整されますか?
「出勤日数に応じて(比例)」を選べば、勤務日数の少ない職員には夜勤も少なめに配分されます。勤務量とのバランスを取りたい場合に向いています。
Q. 全員の夜勤回数をそろえることはできますか?
「同じ回数(均等)」を選べば、出勤日数に関わらず、できるだけ同じ回数になるように配分します。ただし希望休などの制約と両立しない場合は、多少差が出ることがあります。
まとめ
夜勤回数の「公平」には、全員を同じ回数にそろえる「均等」と、出勤日数に応じて配る「比例」の2つの考え方があります。どちらが正しいということはなく、職場の勤務形態に合うほうを選ぶのがポイントです。常勤・パートが混在する介護現場では、「比例」が現実に合いやすいでしょう。
ただ、考え方を決めても、それを現実のシフトに公平へ反映し続けるのは手作業では大変です。シフト屋さんなら、考え方を選ぶだけで自動的に配分し、結果の偏りを数字で確認できます。
夜勤のローテーションに頭を悩ませているなら、一度試してみてください。シフト屋さんは、アプリのインストール不要で、無料から使い始められます。
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