看護師の夜勤を公平に|偏りが起きる理由と、回数をならす方法
作成日: 2026年05月26日

「夜勤メンバーを見ると、いつも同じ顔ぶれになっている」。
病棟のシフトを組んでいると、こんな状況に心当たりはないでしょうか。
夜勤に入れる看護師が限られ、特定の人に夜勤が集中すると、その人の負担は重くなります。「なぜ自分ばかり」という不公平感は、職場への信頼を少しずつ削り、離職の引き金にもなりかねません。
ただ、夜勤の偏りは、シフトを作る人の「えこひいき」で起きているわけではないことがほとんどです。多くは、夜勤に入れる人が限られている、希望が重なるといった仕組みの問題から生まれます。
この記事では、看護の現場で夜勤が偏る理由を整理したうえで、「公平」の2つの考え方と、シフト作成ツール「シフト屋さん」で夜勤の偏りをなるべく抑える方法を紹介します。
看護師の夜勤が偏りやすい3つの理由
看護の夜勤には、ほかの職種にはない偏りやすさがあります。2交代でも3交代でも、根っこにある理由は共通しています。
資格・病棟経験で「夜勤に入れる人」が限られる
夜勤帯は日勤より人数が手薄になり、急変対応や判断を少人数で担う必要があります。そのため、一定の臨床経験や、その病棟での経験が求められるのが一般的です。新卒や異動直後の看護師がすぐに夜勤に入れるわけではありません。
その結果、「夜勤を任せられる人」が一部に絞られ、その人たちに夜勤が回りやすくなります。スタッフが増えても、夜勤に入れる顔ぶれはなかなか変わらない――これが偏りの土台になります。
希望が特定の人・特定の日に集中する
夜勤を避けたい人もいれば、手当のために多めに希望する人もいます。また、土日や連休、行事のある日には休み希望が自然と重なります。ある期間に夜勤可能なメンバーの多くが休みを希望すれば、残った数人で回すしかありません。これが繰り返されると、「いつも自分ばかり」という偏りになります。
常勤・時短が混在し、手作業では公平を追いきれない
病棟には、常勤のほか、時短勤務や夜勤免除中のスタッフ、夜勤専従の人など、さまざまな働き方が混在します。勤務日数も夜勤に入れる条件もバラバラです。
ここに、連続勤務の上限、夜勤明けの扱い、必要な人員配置といった条件が重なります。人の頭でこれを解くと、まず「シフトを成立させること」で精一杯になり、「夜勤の回数が全員で公平か」まで毎回きっちり見るのは、現実にはとても難しいのです。気づいたときには特定の人に偏っている――よくあることです。
ポイント
看護の夜勤の偏りは、担当者の意地悪ではなく、資格・病棟経験による人の限定/希望の集中/働き方の多様さと手作業の限界という構造から生まれます。だからこそ、仕組みで解くのが近道です。
なお、夜勤に入れる人が限られて偏る構造は、介護現場とも共通します。原因をより掘り下げた「夜勤が特定の人に偏るのはなぜ?」や、不公平が生まれる原因と解消法を全体としてまとめた「シフトが不公平になる原因と解消法【完全ガイド】」もあわせてご覧ください。
夜勤の「公平」には2つの考え方がある
夜勤をならそうとするとき、まず押さえたいのが「公平とは何か」です。実は公平には、大きく2つの考え方があります。
- 出勤日数に応じて分担する(比例): たくさん出勤する人には多めに、勤務日数の少ない人には少なめに、夜勤を割り当てる考え方です。
- 出勤日数に関わらず同じ回数にする(均等): 勤務日数に関係なく、できるだけ全員が同じ回数になるように割り当てる考え方です。
常勤と時短が混在する病棟では、勤務日数に差があるため「比例」のほうが現実に感じやすいことが多いでしょう。一方で「全員の夜勤回数をそろえたい」という方針なら「均等」が向きます。どちらが正解というものではなく、病棟の方針と納得感で選ぶものです。
「比例」と「均等」のどちらが自分の病棟に向くか、回数の決め方をもっと詳しく知りたい方は、「夜勤回数の公平な決め方|『比例』と『均等』の考え方」で深掘りしています。あわせて、夜勤の回数や時間の上限は、施設の就業規則・労使協定で定められていることが多いため、自院の規定をご確認ください。
手作業・Excelで公平を追い続ける限界
多くの病棟が、これまで偏りを減らす工夫を重ねてきました。夜勤と公休を先に組む、希望休のルールを決める、「今月は多めにお願いできますか」と声をかけて調整する――どれも有効で、シフト作成の基本でもあります。
ただ、手作業には限界もあります。2交代・3交代の勤務パターン、夜勤に入れる人の条件、連続勤務や夜勤明けのルールをすべて同時に満たしながら、さらに「全員の夜勤回数が公平か」まで毎回追いきるのは簡単ではありません。条件が増えるほど組み直しに時間がかかり、担当者が代わると基準もぶれます。
Excelが向くケース・向かないケースはこちらの記事で整理しています。ここから先は、「公平に分担する」という作業そのものをツールに任せる方法を見ていきましょう。
シフト屋さんで夜勤をなるべく公平に分担する
シフト表自動作成ツール「シフト屋さん」には、夜勤のような負担の大きいシフトを自動で公平に分担する機能があります。仕組みを順に説明します。
「夜勤に就ける人」の中で自動的に分担する
まず、公平に分担したいシフト(夜勤など)を選びます。
分担の対象になるのは、そのシフトに実際に就ける人だけです。具体的には、出勤できて、必要なスキルや資格・経験の条件を満たす看護師です。夜勤に入れない人を無理に数に入れることはありません。「夜勤を任せられる人の中で、なるべく公平に」という考え方です。
公平の「考え方」を選ぶ(比例か、均等か)
先ほど整理した「比例」と「均等」を、設定として選べます。常勤と時短が混在する病棟なら「出勤日数に応じて(比例)」、全員の回数をそろえたいなら「同じ回数(均等)」を選びます。どちらの考え方で分担するかを、病棟の方針に合わせて指定できるのが特徴です。
希望と公平の「バランス」を調整する
夜勤を多めに希望する人もいれば、避けたい人もいます。希望と公平は、いつも一致するとは限りません。
そこでシフト屋さんでは、公平さの優先度を「希望を優先/バランス/公平優先」の3段階から選べます。希望を尊重しつつ偏りを抑えたいなら「バランス」、偏りを小さくすることを重視するなら「公平優先」と、病棟の方針に合わせて調整できます。あわせて、夜勤の連続禁止や夜勤明けの休みといった休息のルールも反映できます。
結果は「高負担シフトの分担」で誰が何回かを見える化
シフトが自動で作られると、シフト表の下に「高負担シフトの分担」という一覧が表示されます。
ここには、対象シフトに就ける看護師ごとに「実際の回数」「公平な目安の回数」「偏りの有無」が並びます。目安より多く入っている人がいれば「偏り」として色付きで示され、どこを調整すべきか一目でわかります。
大切なのは、これが実際に組まれたシフトをもとにした数字だという点です。設定上の理想ではなく、現実の配置で公平になっているかを確認できます。スタッフへ説明するときも、数字で示せると納得を得やすくなります。
あくまで「なるべく公平に」――両立しないときは多少偏ることも
ひとつ、正直にお伝えします。この機能は「なるべく公平に」を目指すものです。夜勤の偏りを必ずゼロにできるものではありません。
休み希望や、必要な経験・資格を持つ人の配置、その他の必須ルールと両立しない場合は、それらが優先され、結果として多少偏ることがあります。それでも、手作業で毎月公平を追いかける負担と比べれば、「考え方を選ぶだけで自動的に公平へ近づけ、偏りを数字で確認できる」価値は大きいはずです。
看護のシフト作成全体のコツは「看護師のシフト作成のコツ」で、夜勤の連続や休息のルールの考え方は「連勤と休息ルールの設計」で紹介しています。
よくある質問
Q. シフト屋さんを使えば、夜勤の偏りは完全になくなりますか?
完全になくすことを保証するものではありません。この機能は「なるべく公平に」分担するもので、休み希望や必要な経験・資格、その他の必須ルールと両立しない場合は多少偏ることがあります。ただし、手作業よりも偏りを抑えやすく、結果を数字で確認できます。
Q. 2交代でも3交代でも使えますか?
どちらでも使えます。日勤・準夜勤・深夜勤や、日勤・夜勤といった勤務パターンと、時間帯ごとの必要人数を設定すれば、その体制に合わせて自動で配置します。
Q. 常勤と時短が混在する病棟でも公平にできますか?
「出勤日数に応じて(比例)」を選べば、勤務日数の少ない人には夜勤も少なめに配分されます。勤務日数に差がある病棟に合いやすい考え方です。
Q. 夜勤の回数や時間に上限はありますか?
夜勤の回数や時間の上限は、施設の就業規則・労使協定で定められていることが多く、ここで一律にお答えすることはできません。自院の規定をご確認ください。シフト屋さんでは、連続勤務の上限や夜勤明けの休みなどをルールとして設定し、その範囲内で配置できます。
まとめ
看護師の夜勤が特定の人に偏るのは、担当者のせいではありません。資格・病棟経験で夜勤に入れる人が限られること、希望の集中、常勤と時短が混在するなかでの手作業の限界という、仕組みから生まれる問題です。
だからこそ、仕組みで解くのが近道です。シフト屋さんの「負担シフトの公平な分担」を使えば、夜勤に就ける人の中で、選んだ考え方(比例/均等)に沿って自動的に分担し、結果の偏りを数字で確認できます。
「いつも同じ顔ぶれ」に心当たりがあるなら、一度試してみてください。
シフト屋さんは、アプリのインストール不要で無料から試せます。まずは1か月分のシフト表から始めてみてください。
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